【13.06.27】13春闘速報22 第9回労働安全衛生委員会学習交流集会

 
ハラスメントのない職場づくり
~ハラスメント予防・解決~

ハラスメントの解決には労働環境の適正化を
コミュニケーションの円滑化を。労組の役割は重要

2013年6月9日(土)は、愛知県医労連の主催で労働安全衛生学習交流会を開催しました。2004年から始め今回で9回目となります。昨年は、5局長通知が示されたもとで労働時間など労働基準法について、国公労連の労働基準監督署監督官の講演とQ&Aで内容を深めました。司会を幸島副委員長、開会あいさつ鈴木副委員長、問題提起を西尾書記長、まとめを石田副委員長が行い9組合17名の参加がありました。今回の記念講演は、3年間で4人に1人がハラスメントの経験があるほど深刻になっている『ハラスメント』について、?  明玉 (ぺ・みょんおく)弁護士(法人名古屋北法律事務所)の学習講演会 「ハラスメントのない職場づくり~ハラスメント予防・解決~」について学習講演会を行いました。? 弁護士は、「労働の在り方が壊れていく中で、正社員雇用が崩れ非正規が増え、人員不足と長時間労働が進行するもとで、パワハラの問題は労働局に25万件の相談が急増し解雇をしのぐ問題になってきている。

人格権を侵害するハラスメント
ハラスメントは、労働者個人の『人格権を侵害』し、ハラスメントを解決するためには、労働環境の適正化、コミュニケーションを円滑化し、ハラスメントや法律など労働安全の知識を普段から職場で共有することが大事である。」と強調しました。
セクハラ規定は義務化
「セクハラ対策は事業所で義務化された。パワハラも事業所が事実を知っていながら対策を取らないことは、使用者の安全配慮義務違反になる。ハラスメントを顕在化し管理責任者に対して申し入れて事実を明確にすることが大切であり被害の拡大を防ぐことにもなる。」と説明しました。

日頃から職場のコミュニケーションの円滑化を

ハラスメントは、何気ない日常の中で誰しもが被害者にも加害者にもなりうる。最近では「マタハラ」など同性に対しても、また女性から男性に対しても、受け手がどう捉えるかでハラスメントになる。日頃から仲間同士で指摘し合ったり、間違ったことを是正し謝れたりする関係づくりが重要。」
ハラスメントは被害者の個人問題と片付けずにハラスメントの生じる背景を見渡しながら使用者に解決を求めていく役割は重要であるし、日頃からの職場のコミュニケーションの整備は労働安全衛生活動の役割でもあり、組合の存在と活動に期待が寄せられる。」「記録や日記など『証拠』が重要。」など、事例も紹介していただきながら大変充実した講演となりました。

質問が続々と

? 弁護士への質問が続々と寄せられ大幅に時間を超過し熱心な討論になりました。講演を聞き、「ハラスメントは人間の尊厳に関わることで身近な問題であり、職場や言動を見つめ直して働き方に生かしていきたい」「ハラスメントに至る背景をとらえることが大切」「具体的な対応策がよく分かり、組合の日頃からの役割の重要性を認識した。」「使用者の安全配慮の責任がよく分かり顕在化の必要を感じた。」などの感想が寄せられました。
講演の後は、西尾書記長から問題提起と役立つ情報、各組合の労働安全衛生活動アンケートの報告から取り組み状況と課題を話し交流しました。

各組合からの報告
パワハラの問題が深刻化しているという共通認識との上で各組合からの取り組みの報告がされました。
(全医労東尾張)メンタルヘルスチェックを年2回実施、勤務表の点検は行い準夜→日勤は変更を申し入れている。課題は年休が希望通り入れられないこともある。(南生協)セクハラ・パワハラの懲罰規定はあるが運行の方法がよく分からない。職員健診が年2回から夜勤者以外は年1回に変更。委員会は開催されない月もある。(名南会)委員会を90分と十分な審議をしているがハラスメントの抜本策は課題。(全医労豊橋)は夜勤月8日、勤務表の点検に力を入れ改善させてきている。腰痛対策も実施。幅広い課題で行うこと、巡視の振り返りも課題。(南知多)風疹の抗体が無料に。喫煙対策も重要視。広い課題で取り組みたい。(みなと)組合側選出の位置づけがなく組合の主張は弱いが、産業医が熱心でメンタルヘルスや腰痛対策の学習会を位置づけている。夜勤や労働時間の問題を議題に上らせたい。(全医労長寿)労働安全衛生の活動があまりすすんでいない。(全医労地区)夜勤一人月8日の遵守の強化を。
 
問題提起より
・毎年学習交流集会を位置づけ開催し、活動アンケートに取り組み、労働安全衛生活動が根付き前進。今回のアンケート集約は9組合から回収(全医労東名、全医労豊橋、全労災旭、豊橋市民、みなと、名南会、北生協、南知多、堀尾)。
・情勢では5局長通知、6局長通知、看護協会WLB・夜勤ガイドライン、「勤務環境整備の労働安全衛生管理体制の充実」など労働時間の改善が焦点。
・労働安全衛生活動、産業医・衛生管理者・労使共同の職場遵守、議事録の公開など法律に沿った運営を行わせよう。
・組合大会で労働安全衛生の方針を確立しよう。

 
13春闘速報22

写真:
講師の?  明玉
(ぺ・みょんおく)弁護士
(法人名古屋北法律事務所)

公開:2013年6月27日   カテゴリー: