【09.02.25】愛知県医労連 【春闘速報(7)】第1回・ホームヘルパーセミナー・70名が参加

第1回・ホームヘルパーセミナーに
6組合・27施設事業所から
70名が参加

◆ 学習講演会と、「分散会」で
ヘルパーの実態や困りごと、そして、良かったことも
“しゃべり場”で元気もらいました

◆ おなじ仕事を持つホームヘルパー同士だから・・・話が弾み、楽しい交流ができました
愛知県医労連・個人組合加入者等、3名!)

 今回、はじめての開催となった「ホームヘルパーセミナー」を2009年2月22(日)午後・金山労働会館・東館ホールで行い、6組合(30名)と組合のない27事業所(40名)参加し、全体70名で成功しました。
 当日の組合加入者も3名あり、アンケートも約45枚回収されました。うち20枚は資料請求で住所氏名が記載され、新たなつながりができました。感想では「(記念講演で)ヘルパーの仕事を改めて勉強でき良かった」「(分散会で)職場で賃金格差がすごくビックリした」等の感想が寄せられました。

全体会様子 

◆ 概要◆元気になれるセミナーでエネルギーを共有しよう
 全体会では主催者を代表し石田恵子・介護部会長(みなと医療生協・ケアマネージャー)が、医療と介護は、切っても切れない関係。ひとりの人をしっかりみて、サポートするためにも、今の過酷な労働実態を改善しましょう。とあいさつ。「記念講演」介護・ヘルパーをめぐる情勢と行動提起(永田介護部会・事務局長)。短時間になりましたが、分散形式で3つの交流会で実態を出し合い、交流しました。最後に、原書記長の「まとめ」では、(1)「介護労働者・ヘルパーのやり甲斐、と高齢者の生き甲斐は比例するもの。国民のなかにヘルパーの専門性を語り広げ、劣悪な条件が改善されるよう報酬アップを求めよう」 (2)運動するには、仲間をふやすことが、大事。仲間の輪をいっそう広げようと強調しました。

 講師 三輪さん

ホームヘルパー、って。すばらしい仕事
いのち、くらし、生き方を支える・・・・
社会福祉活動の専門家なんですよ

高齢者・利用者が「その人らしく・・・・人間的で、文化的な
生活ができるよう」援助する
「全国ヘルパー連絡会副代表、京都ヘルパー連絡会代表世話人」
三輪道子さん

 講演会は「みんなに伝えたい、訪問介護の仕事と本音。聞いて感じて明日のために」と題して行われました。三輪道子氏は、誰もがぶつかる「ヘルパーの悩み」を紹介しながら、ヘルパーの役割と専門性とは、何か・・・を易しい言葉で語りながら、ホームヘルパーは、どうあるべきか、が紹介されました。

講演・資料から「ホームヘルプの活動とは・・・・」
◇ ヘルパー業務の「目的(3点)」
 (1)利用者の生活保障(日常生活援助→身体介護、生活援助、相談助言)
 (2)自立支援(利用者に働きかけることで、本人の能力と意欲を引き出す)
 (3)利用者の生活の質の向上 その人が、その人らしく生活できるよう援助)

◇ ヘルパー業務の「特性」 対人援助(1対1)を基本とする、社会サービス
◇ ホームヘルパーの専門性とは
 (1)社会福祉従事者としての倫理性と役割認識 (2)人間理解を前提の、対人援助
 (3)社会福祉制度に関する、知識 (4)衣食住に関する家事実技技術と家政学的知識
 (5)介護に関する理解と援助技術、技法 (6)医療保健に関する知識

大切な仕事。安心し、迷いなく、やりがいを持ち働きたい・・
(1)もっと学びたい (2)もっと安定した収入を (3)もっと気持ちよく働きたい そして・・・・ホームヘルパーの将来は、どうなるのか、心配だ
だから、(1)労働組合を作り・加入し、要求するしかない!

三輪道子氏は、ヘルパーさんが現実にぶつかっている悩みや要求として、(1)よりよい仕事への研修や専門性を高める学習 (2)生計がたたない低賃金の改善 (3)職場と関係職種とのチームワークの重要(所長・ケアマネ・サービス提供者・ヘルパー同士理解と協力関係の構築)、としました。
 同時に、ホームヘルパーをめぐる要求・課題の解決には、労働条件の改善と介護制度の改善が不可欠だ、として労働運動に自らが立ち上がった経過が語られました。職場(「社会福祉法人・京都福祉サービス協会」)は施設系で常勤職員の労組しかなかったため、ホームヘルパーの組合を結成。京都福祉サービス協会は、市内全域のサービスのシェアをもち3,000人登録ヘルパーを雇用、全ヘルパーによびかけ400人のヘルパー組合員を組織。いまのホームヘルパーの仕事と働きを、困難にしているのは、「直行・直帰」の労働形態にあるとして、職場交渉では「登録」の名称を廃止、「パート」「32時間契約ヘルパー」とし条件改善も次々と進めてきたことも紹介されました。

 特別報告

講演・資料から「京都福祉サービス協会登録ヘルパー労働組合」で獲得した要求
◇ 32時間契約ヘルパー制度、パートヘルパー制度(労災保険の適用、有給休暇を実現)
   (1)時給+60円アップ(パートも32時間ヘルパーも共通金額)
   (2)2つの点で昇給制度、最大+40円
     月・業務時間に応じ20円~10円 過去2年・業務時間に応じ20円~10円
   (3)日曜出勤手当 1回+100円
   (4)2009年度は、財務成績が好調な場合には、ボーナス支給(昨年度と同じ)

大切な仕事。安心し、迷いなく、やりがいを持ち働きたい・・
だから、(2)介護制度と報酬のアップを運動するしかない!
 講演の後半では、職場ではヘルパーの労働組合をつくり、要求運動をすすめながら全国ヘルパー連絡会をつくり国への介護制度、報酬アップの運動をすすめてきたことが紹介。
 介護報酬は3年に1回の改訂ですが、2000年では、身体介護4,020円の一方、生活援助1,530円(当時は、家事援助の名称を使用)で、生活援助が半分以下という報酬に対し、全国連絡会を結成し、国に対し運動。2003年改定では、先の家事援助の名称を変更させた。2006年改訂・大改悪では、あろうことか、「自立支援をヘルパーが妨げている・・・」とまで言い、ヘルパーの生活援助を1時間から1時間30分までに制限。国は利用抑制、予算削減を強行。その後、同居家族が居る場合でも必要な場合ヘルパー利用を認めさせるなど前進も獲得したが、もっともっと全国でヘルパーの必要な利用者が利用できる制度に帰ることが大事。

 分散会の様子

たとえば・・・報酬単価のアップ額の変化は?(2009年4月から実施)
              2006年  2009年 差額
身体介護 30分未満     2310円  2540円 +230円          
     30分-1時間未満 4020円  4020円 ± 0円          
     1時間以上    5840円  5840円 ± 0円
     30分増す毎に    830円   830円 ± 0円
生活援助 30分-1時間未満 2080円  2290円 +210円          
     1時間以上 2910円  2910円 ± 0円
     30分増す毎に 制度廃止 制度廃止

短い時間でしたが、有意義だった「しゃべり場(交流会)」
 3つの分散・交流会では、(1)決められた生活援助、介助を越える利用者要求に対する現実対応での悩みや、職場のケアマネ・サービス提供者との意思疎通の難しさ(逆に、職場の意思疎通=関係がよいと業務も進む)がだされ、組合のある職場のヘルパーさんや個人組合加入のヘルパーさんからは「不合理な状況を組合に助けられた」「移動時間が1回100円給付の回答(南生協労組)」、「医労連共済で、休業給付で大変助かった」などの報告もあり有意義な時間になりました。

<ホームヘルパーセミナーに参加及びご協力頂いたみさまん、ありがとうございました
なごや福祉施設協会労組、民医連生協部会・南、みなと生協、北生協、名南会(以上)

 飛ぶように本が売れました

公開:2009年2月25日   カテゴリー: