【08.10.07】【080921秋闘速報(8)選挙特集(2)】

【緊急・特集・その2】

【080921秋闘速報(8)選挙特集(2)データPDF24KB】

◆日本医労連が中心的に取り組む、重点要求と各政党政策とのスタンス・・・・「各要求政策別の比較」

<1> 野党4党(民主、共産、社民、国民新)が取り上げた、日本医労連の政策要求
4党共同で2法案提出(後期高齢者医療保険制度廃止、社会保険病院等の存続)
※ 2008年通常国会「後期高齢者医療保健制度・廃止法案提出」、参議院で可決
※ 2008年9月開会臨時国会「社会保険病院は健康保険協会で運営し存続法案提出(予定)」

4党共通の医療政策の考え方
※ 医療費の患者負担増とOECD加盟の先進国中、日本の患者負担割合は一番高い
  医療費はOECD加盟国平均10.8%へ(現在、日本8.9%で+2.8%・10兆円増額へ)

※番号順は、日本医労連要求に「近い」順番で掲載

<2> 医師、看護・介護職員の大幅増員の政策

【特徴】 医師、看護師・介護職員の不足の認識は、民主・共産・社民の各3党は、欧米諸国との比較で医師・看護師不足であるとし、平均まで増員させる政策を打ち出しており、日本医労連と共通認識になっています。介護労働者の処遇改善に対するの具体的な対策は、民主、共産の2党が打ち出しています。一方で、自民党・公明の政府与党は医師は絶対的でなく偏在で記載。(その後、6月の閣議決定撤回、8/27検討会で医師増員の検討は、報告済み)

(1) 民主党、共産、社民(ぼほ日本医労連と同様) 
・ 医師 →OECD諸国と比べ10万人不足、10%削減の医学部定員を元に戻す
      医学部定員を削減前の8300人に戻し増員する。
・ 看護師→1ベッドあたり欧米の1/3から1/5 働き続けられる支援策
・ 介護労働者の処遇改善 民主(→2008年1月、通常国会に一律2万円の賃上げ法案を提出)
             共産(→2007年12月、一律3万円の賃上げ提言を発表)
(2) 自民、公明党、国民新党
・ 不足の認識 偏在の考え方で不足の認識は、無し。従って、増員数字も無し。
・ 小児科、産科など特定診療科に医師を増員(看護・介護職員不足や対策のコメント無し)
・ 医師の偏在を解消する(看護師・介護職員不足は、とくにコメント無し)
政府(自民、公明2党が取ってきた態度)
・ 医師不足偏在→ようやく2008年6月に25年間の医師抑制閣を議撤回
・ 看護師不足 →2007年国会での法改正、抜本増員の請願採択あるも1年サボタージュ
・ 介護職員不足→連続する介護報酬カットが低賃金に拍車、社会問題に発展。

<3> 医療政策、医療費への考え方

【特徴】 医療政策では、共産、社民の2党が患者負担増・混合診療に反対する等、医療制度・国民皆保険を守る政策を掲げており、日本医労連と共通認識です。介護も、先の2党が利用者の利用料・保険料減免拡充、介護とりあげを中止し、介護労働者の労働条件改善を主張し、その財源面では介護給付費の国庫負担率を25%→30%に引き上げ、国民負担無しの政策を打ち出しています。

(1) 日本共産党、社民党
<医療>
・患者負担増反対、混合診療反対、子どもの医療費の無料化を国制度として実施
・病院つぶしに反対、自治体病院に公的資金、社会保険病院は公的で存続
<介護>
・利用料・保険料減免、「介護とりあげ」中止、労働条件の改善などの財源で介護給付費の 国庫負担率を25%→30%に引き上げる
(2) 民主党、国民新党 ・具体的なコメント無し
(3) 政府(自民、公明2党が取ってきた態度)
・ 後期高齢者医療保健制度等の推進
・ 社会保障費毎年、2200億削減は2009年も継続する

<4> 病院つぶし(社会保険病院、自治体病院リストラ、療養型病院廃止等)

【特徴】 共産、社民党の2党は、計画に政府与党(自民、公明)による国立・公的
医療機関つぶし、民営化に反対し療養型病院廃止に対しても撤回を明確に主張。

(1) 日本共産党、社民党
・公立病院改革の名による病院つぶしをやめ、地域医療体制をまもる。
・地域の医療を守るため医療機関の財政基盤を強める。
・自治体病院への財政支援を強化し身近な病院を守る。
・療養型病院廃止を見直す
(2) 民主党 ・具体的なコメント無し
  国民新党・具体的なコメント無し
(3) 政府(自民、公明2党が取ってきた態度)
・国立病院を独法化、公務員の身分を廃止等
・公立病院・ガイドラインで3年連続入院70%以下なら診療所化も。独立採算強化
・社会保険病院を国の責任から、民間委譲、売却へ(整理機構への出資)
・療養型病院を廃止(38万床→23万床廃止へ)

<5> 社会保障費財源、増税・消費税への態度

【特徴】 共産、社民党の2党は、大企業減税を中止し、バブル期前の税率に戻すこと、大型公共事業のムダをなくすの2点を主要な財源として主張。軍事費の削減は、共産党のみ。民主党は、道路特定財源の一般財源化を主張する一方で、公明党と並んで国の事業や独立行政法人等の原則廃止、公務員人件費削減の公務員リストラで財源を捻出する主張で医労連要求とは正反対。
 更に、自民党に至っては、現在の消費税を「社会保障税」と名称変更し17%アップを提言する国民いじめ。

(1) 日本共産党、社民党
・道路特定財源を一般財源化する等、巨大ダムなど大型公共事業のムダを削る
・過去10年大企業に法人税5兆円減税。(共産)
 現在してきた法人税率を元に戻す。(1988年法人税34.3%→2008年27.7% ▲6.6%)(社民)
(2) 民主党
・道路特定財源を一般財源化、公共事業のムダを削る
・独立行政法人等の原則廃止、公務員人件費削減 4兆9000億円
(3) 国民新党
・消費税は、据え置き
  公明党
・国の全事業を統合・廃止、民営化する等のみ(具体的なコメント無し)
(4) 自民党
・現在の消費税を社会保障税と変更し当面10%にアップ、2025年には消費税17%。
              (2007年10月、経済財政諮問会議、福田首相が議長)

<6> 派遣労働是正、パート・最低賃金への態度 

【特徴】ワーキングプアの社会問題化によって最賃アップが課題ですが、共産、社民の2党は、全国一律最低賃金制度創設・時給1,000円を表明し、日本医労連と同じ立場です。民主党も近い立場ですが全国一律制度でなく、時給も全国平均で1,000円という政策です。派遣労働改善も、共産、社民の2党は、法制度大改悪前に戻し、専門業種に限る政策で日本医労連と同様です。民主党は、特別問題になっている日雇い派遣には、制限を主張していますがその範囲、政府与党、自民、公明2党も更に弱く、一部規制に止まる政策です。

(1) 日本共産党、社民党
・1,000円目標に全国一律最賃制を確立。中小企業助成や下請単価引き上げを実現。
・派遣労働は1999年改悪前に戻し専門業種のみ規制。1年以上派遣は直接雇用義務づけ
(2) 民主党
・全国最低賃金時給800円以上、地域の最低賃金平均1000円をめざす。中小企業に財政対策
(3) 自民党
・日雇い派遣は、特に問題が多いとして原則禁止とするも、一部例外は認める
 もっぱら派遣(グループ内企業からの派遣)も一部規制止まり(与党プロジェクトチーム)
  公明 具体的なコメント無し
  国民新党 具体的なコメント無し

<7> 平和・憲法、公務員制度、等の政策

【特徴】 平和憲法をめぐっては、憲法9条擁護か、改憲派か明確に2分。
共産、社民は、はっきりと憲法9条守る立場を表明し、日本医労連と共通の立場です。
さらに、公務員制度・改革をめぐっては、自民、民主、国民新党ともに、公務員リストラ・成果主義制度の導入推進の立場をとり、労働者いじめの姿勢です。

(1) 憲法擁護→日本共産党、社民党
・平和外交で、戦争放棄、非軍事の世界を目指す。9条改憲を守る
・戦争放棄、非軍事の世界を目指す。9条改憲を絶対に許さない。

(2) 改憲派、公務員リストラの推進派
自民党
・自主憲法を創設、憲法前文の修正、及び第9条の1項の戦争放棄を削除

民主党
・2005年・民主党「憲法提言」→改憲で国連多国籍軍の活動や国連平和維持活動(PKO)への 参加を可能にする、と主張
・独立行政法人等の原則廃止、公務員人件費削減 4兆9000億円
 公務員制度改革で、能力主義の導入推進

国民新党
・自主憲法を創設する
・公務員制度改革で、能力主義の導入推進

公明
・独立行政法人等の合理化徹底、公務員1割削減、公務員制度改革で、能力主義の導入推進
 郵政は、完全民営化

公開:2008年10月7日   カテゴリー: