【08.05.01】介護人材確保に関する愛知県への要請書

5/12 介護人材確保に関する課題で愛知県と交渉を行います。

【介護福祉士等の介護労働者の確保に関する要求PDF参照17KB】

2008年2月28日
愛知県知事 神田 真秋 様
愛知県医療介護福祉労働組合連合会
執行委員長      鈴木 弘之

介護福祉士等の介護労働者の確保に関する要求

 貴職のご活躍に敬意を表します。
 2007年8月26日に「社会福祉事業に従事する者の確保を図るための措置に関する基本的な指針」が、制定時の1993年から14年ぶりに見直されました。新たな指針では、高い離職率がマスコミなどに取り上げられ社会問題化する中で介護職場の「人材確保に真剣に取り組」む必要があり「喫緊の課題」と位置づけられました。
 介護福祉士等の介護職員確保の最も有効な対応策は「離職防止」策であることを明確にし、その上で「未就業者の再就業支援」「養成増」をはかることが必要と考えます。介護の基幹職種である介護福祉士は有資格者47万人のうち就業者は27万人(就業率57%)、介護全体では離職率は20.0%にのぼり全産業平均の17%を大きく上回り、急激な人材不足は深刻な自体を招いています。
 この背景には、介護労働者の毎月賃金は他産業と比べ全労働者平均が33万円に対し平均21万円と12万円も低く、ホームヘルパーに至っては平均19万円で、資格や社会的な役割に全くみあわない低賃金です。また、介護職場は非常勤が4割、ホームヘルパーではパートが8割を占め、不安定雇用でしか働けない産業構造になっていること等があり、この数年、連続する介護報酬のマイナス改定を続けてきた政府の責任は重大です。わたしたちは、国に対する適切な対応を求めますが、愛知県もイニシアチブの発揮をして頂くことが必要です。
 介護福祉士等、介護職員確保の具体策が緊急の課題です。愛知県として次の項目について積極的な対策を講じるよう求めるものです。

(1)  改正福祉人材確保基本指針(2007年8月26日)に基づいて愛知県としての役割を発揮し、介護職員の定着・離職防止対策を推進して下さい。

①深刻化する介護職員の就業状況や不足状況の把握に関する緊急実態調査をおこない、愛知県として離職防止対策を積極的に進めてください。
②離職防止と、安全でゆきとどいた介護を実現するため、県が行っている教育研修制度の内容を充実させて下さい。また介護職員基礎研修、介護福祉士免許取得のための600時間受講費用や対象者が受講し易いよう事業所への人件費を公費負担する等、の支援策をとって下さい。
③労働基準法違反や介護関係諸法規の指導監督は、実情を考慮し適切に実施 して下さい。
④院内保育所助成の対象を病院職員に限定せず、介護施設・事業所等の職 員を対象に加え、県単費で補助制度を新設して下さい。

(2) 「改正福祉人材確保基本指針(07年8月26日」に基づき深刻な介護労働者不足を解消するため、次の事項を国に強く働きかけて下さい。

①過酷な労働実態の改善と利用者へのサービス確保のため、介護施設・事業所での人員配置基準を大幅に改善してください。

②介護労働者の確保のため、低すぎる介護報酬を大幅に引き上げ、仕事に見合った適切な給与水準を保障してください。

③社会的な人材確保が図られるよう以下の労働環境を整備して下さい。同時に裏付けとなる、財政措置を講じてください。

 1, 完全週休2日制等による労働時間短縮の推進。
 2, 年次有給休暇の計画付与等による完全取得。
 3, 育児介護休業制度の取得、事業所内保育所設置の促進、補助金適用等。
 4, 研修時の欠員に対する代替職員の確保と人件費保障。
 5, 労働者の心と身体の健康を守るためのメンタルヘルス、感染防止等。

④介護職場は制度上の人員配置の少なさから、労働基準法違反が横行しているのが実態です。法の遵守について指導、監督を強化して下さい。

 1, 時間外労働の残業手当の不払いをなくす監督・指導の強化。 
 2, 違法な宿日直の改善について「基発0319007号」「基監発1226002号」の内容で、   事業所運営が行われるよう指導の強化。
 3, ホームヘルパー等について出された厚生労働省「2004.8.27通知」を該当する   訪問介護事業所等へ周知徹底し、改善のための財政保障。
 4, 介護施設・事業所の下請け派遣労働の実態を調査し、不法な「偽装請負」を    ただちにやめさせる指導・監督の強化。

⑤フィリピン等からの看護師・介護福祉士等の受け入れは、免許取得前の研修等 の安全への不安等の懸念されることから見直し、国内での必要な養成数確保の対策 を抜本的に強化してください。

(3) 介護事業の運営を保障し、必要な利用者がサービスを保障されるよう、次の事項を国に強く働きかけて下さい。

①利用者の負担増でなく国が緊急の財政措置を講じることで、介護報酬を引き上げ、事業運営に必要な水準を保障して下さい。

②保険料やサービス利用料の減免制度の拡充等で利用者負担を軽減し、低所得者対策の拡充を図ってください。
                               以 上

愛知県要求、対政府要求作成にあたって、補足:
1, 政府要求は、改正福祉人材確保指針の社会保障審議会・答申の内容を軸に組み立てた。

2, 愛知県要求は、自治体として実態把握を行うための調査実施、教育研修保障、指導監督、県単独での保育所補助金制度とした。

3, 介護事業所の運営保障と、利用者の負担軽減は、個々の施策要求とはせずに、全体おおくくりの要求にとどめた。交渉や実情を訴える際の資料として、別途、施設・事業毎に生じている特徴的な問題点と制度要求を作成し、添付する。
   介護老人福祉施設(特養)、介護老人保健施設(老健)、グループホーム、デイサービス、訪問看護、訪問介護(ホームヘルパー)

参考:
1, 日本医労連2007年政府要求書(介護福祉部分を抜粋)
2, ヘルパーなど介護労働者の労働条件改善に向けた要請書(中央社会保障推進協議会・2007年11/12付け)
3, 介護保険の緊急改善を求めます(全日本民主医療機関連合会2007年10月)

日本医労連2007年政府要求書
①2009年度報酬改定において配置基準を大幅に改善するとともに、介護施設・事業 所に働く職員への評価を明確化して、安全で働き続けられる労働条件、仕事内容にみあった報酬を実現すること。
②介護施設においても医療必要度がますます高まっている実情に見合った形で、介護保険3施設(療養型病床、老人介護施設、老人福祉施設)の看護職員配置基準を抜本的に引き上げること。
③療養病床の大幅削減計画を撤回するとともに、医療区分1の異常に低い点数設定等、実態に合わない医療区分・ADL区分をやめ、療養病床の報酬体系を抜本的に見直すこと。
④介護予防支援費(1件400単位)を引き上げ、居宅介護支援事業所の特定事業所加算要件を見直し、包括支援センターの予防介護支援事業が適切に行われるよう財政保障を行うこと。
⑤介護保険1号保険者の定額制を定率制に改め、国の責任で利用者の保険料、利用料の減免制度を拡充すること。介護保険の国民・利用者負担を軽減するために国庫負担を大幅に増額すること。
  介護サービスの利用制限や保険外しを行わず、福祉用具や介護予防用具等の利用 は、全て介護保険給付対象に戻すこと。

公開:2008年5月1日   カテゴリー: