【06.01.22】安全・安心の看護実現には増員が不可欠 愛知県医労連・看護実態調査

 愛知県医労連が昨年秋からとりくんできた『看護職員の労働実態調査』の第2次集計がまとまりました。PDF参照集約数4,196名は県内の病院に勤務する看護職員の1割を超える規模となっています。
 特徴の第1は、看護現場がいっそう忙しくなり、労働条件が悪化していることです。「最近、看護業務量が増えた」という回答が61.2%に達しています。「終業時間後の仕事時間が1時間以上」が48.1%、「年次有給休暇の取得が年間5日未満」も34.4%となっています。
 特徴の第2は、超過密労働のもとで、患者のいのちと安全も脅かされていることです。「十分な看護が提供できている」という回答はわずか8.1%にとどまり、できていない理由としては「人員が少なすぎる」55.9%、「業務が過密になっている」52.9%が抜きんでて高くなっています。そして、「この3年間にミスやニアミスを起こしたことがある」が89.3%にも達し、医療事故の原因としては「医療現場の忙しさ」が85.2%と高率であげられています。
 特徴の第3は、看護職員が疲れ果て、退職などバーンアウト(燃え尽き)が進行するという看護師不足の悪循環に陥っていることです。平均年齢34.3歳という比較的若い集団でありながら、健康不安が58.4%、慢性疲労が75.6%です。「仕事をやめたいと思う」が74.4%にも達しており、やめたい理由は「仕事が忙しすぎるから」44.8%、「仕事の達成感がないから」24.2%、「本来の看護ができないから」23.3%となっています。
 深刻な過重・過密労働となっている看護現場の改善は急務です。医労連は、患者さん・住民のみなさんに安全・安心の看護を提供するため、日勤時は患者4人に看護職員1人、夜勤帯は患者10人に看護職員1人の配置など労働条件・労働環境の改善、国・自治体の施策の拡充、財政措置を求めて運動をすすめます。

公開:2006年1月31日   カテゴリー: