【05.11.30】愛知県医労連 第1回「成果主義賃金」対策会議を実施

はじめに

あまりの人手不足、サービス残業でどの病院・施設も山のような悲惨な看護・介護職場実態が明らかに!
それでも経営者は「患者の命」と引き替えに成果主義を押しつけるのか!?

今年の人事院勧告により、医療・介護職場にもいっきに成果主義賃金の導入が言われる情勢のため、春闘を待たず対策会議を開催しました。

内 容

(一)わかりやすいと大変好評な「日本医労連リーフ」を使い学習、成果主義賃金の「弊害」と言われる以下の4点を確認

(1) チーム医療を破壊し、患者のいのちと安全を脅かす。 (2) いっそうの労働強化を強い、健康破壊やバーンアウトを加速させる (3) 今でさえ低い医療・福祉労働者の賃金水準をいっそう引き下げる (4) 労働組合も弱体化させ、物言えぬ暗い職場にしてしまう

(二)最近の新聞記事も「(国民サービスに)大丈夫なのか?」と取り上げている(「導入された医療職場での悲惨な末路・・・は、リアル」)

「成果主義って何ですか-第3部・ここにも評価(病院)2005.11.2(毎日新聞)」の紹介や、先の日本医労連の日本医労連全国組合学習決起集会での「成果主義の強行導入が医療と看護にあたえた影響(2005.11.18 福島県医労連」報告を引用し実態の報告がされました。

(1) 賃下げが急激に行われる!導入前1999年平均8,251円あった定昇が急減され、5年後は平均4,214円に低下(しかも賃下げ提案する必要も個人の合意も必要ない!)

(2) サービス残業が、いっそう悪化した。結果、30人以上の大量の医師、看護師が退職した

(3) 働きがい、やりがいのため、と言ったが。「やりがいはあるか?」の質問に「いいえ」が92%(今年のアンケート回答)が物語る実態

(4) そして、究極は・・・経営も良くなるはずが、経営が傾いて導入した院長は辞任し交代。「今後賃金体系を大幅に変える必要がある」とマスコミに語る始末、医療と介護は人材がいのち、医師と職員を退職させ流失させて、経営が傾いてから気づいても遅すぎる!

(三)春闘に向かっての行動提起(たたかう構えと具体的な改善要求)

成果主義(能力管理)は、安全、安心の医療、看護・介護のチームも人材も全てを壊し危険にさらす!その一点で全職員が団結し院内外世論に訴えよう

その1. 107名の犠牲者を生み出したJR西日本の惨事を引き起こしたのは、公共の職場でやり過ぎの効率化合理化とそれを一層推し進める、能力主義管理(成果主義賃金)でした。医療でもすでに「耐え難い人手不足」の中で「(残業になるのはあなたの能力がないから、といわれ)サービス残業が山の様にある」この事態は、まるでJRだ、と「看護労働実態調査結果」報告を知った看護師や労組員は、語っています。これ以上の効率化は、患者のいのちを危険にさらすこと。実態改善は、病院経営者の社会的な使命であり、賃金を引き下げ更に過酷な労働実態に追い込む成果主義賃金は、絶対に阻止する必要があります。

その2. 経営側のトップも語る『成果主義導入と経営の好転とは関係がない。現場での業務がはっきりしている現業部門では必要ない。営業成績で賃金を払うなら一時金のほうが合理的(引用は「成果主義賃金は有効か(2003.6月連合総研レポート(財)社会経済生産性本部労働研究センター事務局長 岩崎馨氏)』。『患者に選ばれる病院、それは看護師からも好かれる病院になること。医師、看護師など人材確保ができなければ、減収、患者確保=収入増も達成もない(院長の緊急アピール(2005.11月社会保険中央総合病院院、斉藤院長)』

(四)愛知では?各組織からの報告、相互交流でも・・・こんなに、ひどい特徴が明らかに

(1)基本給構造は、能力給+経験級(又は役職給与)の3本立て(共通) 

(2)経験級(これまでの定期昇給)は、生計費原則では、子供の教育など一番収入の必要な45歳で停止、管理職=(役職級)の上位等級に移れなければ、ずっと上がらない。

(45歳停止は中京。なごや福祉施設協会は42歳から500円づつ逆に、マイナス!になってゆく体系) 

(3)能力級の導入のための原資は、多くは職種手当や属性に関わる手当(家族手当、住宅手当など)を廃止して作る。そのため、導入直後には給与の「減額」が起こるが=その不利益変更(法違反)を免れるために、「調整手当」が加算される。 しかし、調整手当は、評価され一定昇給しても調整級がその分減額になる「しくみ」があるなど扶養手当や住宅手当が沢山支給されていた労働者は結局ずっと給与が上がらない。

(4)昇給、昇格の基準が厳しい、又は曖昧。なごや福祉施設協会では、昇給要件にヘルパー1級や介護福祉士の資格が必要とされ、加えて、規定の研修(協会内、外部も)が義務。出席すれば職場の労働がさらに過酷になり、出席をやめざるを得ない実態もあるなど・・・

公開:2006年1月10日   カテゴリー: