“職場を変えるのは私たちだ” 東海北陸ブロック役員セミナー【医労連 東海北陸ブロックニュース2023年度No.18】

職場を変えるのは私たちだ

3/23-24 静岡県御殿場市「時の栖」にて、東海北陸ブロックで6回目の役員育成セミナーを開催。6県から37名(うちオンライン1名)が参加しました。日本医労連の歴史の学習や、共済学習、模擬団交・新人加入ロールプレイで実践的な学びもでき、ブロックで高め合って要求を実現しようと思いを新たにしたセミナーでした。

①日本医労連の歴史から学ぶ

日本医労連
佐々木悦子委員長

 日本医労連・佐々木委員長を講師に、「声をあげれば変えられる~日本医労連の歴史から学ぶこと~」をテーマに学習。日本医労連で看護師たち当事者が声をあげ、制度の改善を勝ち取ってきた歴史を学びました。

 結婚や通勤・出産の自由がなかった看護師たちが、1960 年代の病院ストや夜勤制限闘争、1989 年からのマスコミも活用しながらのナースウェーブ闘争など、企業の枠を超えて産別に結集して闘い、看護婦不足を社会問題にして世論を動かしてきました。他産業に比べ低すぎる賃金の改善を長年求め続け、ケア労働者に対し「物価高に負けない賃上げを実現する」 と首相が明言。初めて、診療報酬・介護報酬にベースアップのための加算が盛り込まれました。まだまだ内容は不十分であり、改善を求めていこう、と話がありました。

②医労連共済

医労連共済会
大谷さん
冨永さん

 医労連共済の学習では、共済会の大谷さんより、医労連共済は仲間の助けあいであること、共済のおすすめポイントや給付事例、結婚や妊娠などのタイミングで加入を勧めると成功しやすいと話がありました。

 自動車共済は富永さんより、団体割引1515%とお得な自動車共済のメリットなどを学びました。「自動車共済は家族でも入れる?」などの質問が出されました。

③模擬団交

 模擬団交では4 チームに分かれ、「ベースアップを勝ち取る」ミッションのために労働組合側で作戦会議を練り、経営者役があびせる不当労働行為・不誠実団交の攻撃(右記)に立ち向かいました。初参加の青年も発言し、「現場は人が足りない。物価高から生活を守るためなんとしてもベースアップを」と要求しました。主導権は組合側が握ろうとアドバイスが出されました。

不当労働行為への対応例

①上部団体の参加を拒否する→団体交渉への参加者は労働組合が決めます。連名で要求している。
②経営者が交渉を進行しようとする→組合から申し入れた交渉なので、こちらで進行します。
③不要な長話を延々する→時間が限られますので、と話をやめさせ組合が現場の声を伝える
④短時間で打ち切って帰ろうとする→今日交渉が決裂すればストライキを実施します、とストを構えていることを強調する。
⑤原資がない、対案を出せ→それは経営側の仕事

④新人加入

 最後に、「新人100100%加入」に向けて、新人さんに組合の説明をし、質問に答えるロールプレイを行いました。44~5
人のグループで新人役・先輩役・講評役を交代しながらよく新人さんから出される「今日入らないとダメですか」「親に聞いてからでいいですか」「組合費が高い」「組合のメリットは?」などの質問に答える練習を行いました。

感想

 参加者からは、「看護師がこんなに人権侵害されていたとは知らずびっくりした」「署名をつみあげる私たち個々の運動が政府を動かしていると思った」「誰かがやってくれると思わず、自分たちで声をあげていかなくてはと思った」「共済を周りにもっと勧めたい」「模擬団交が実践的で興味深かった」「他グループのやりとりを見て対応方法を学べた」「今回学んだ方法を用いて新人加入に携わっていきたい」など感想が寄せられました。

ハンセン病 駿河療養所見学

 セミナー終了後はオプショナル企画として、ハンセン病療養施設である国立駿河療養所を見学。25 人が参加しました。

 支部役員の山本さんと、学芸員の杉山さんから、ハンセン病の方が隔離され、堕胎を強いられるなど差別されてきた歴史を聞き、施設を見学しました。

 現在の入所者は36 人で高齢化がすすみ、24 時間の看護体制に変えてきていると話がありました。「自分たちの劣等感は一生消えることはない」という入所者の方の言葉が胸に刺さりました。

公開:2024年3月29日   カテゴリー: