【16.12.20】秋闘速報18 愛知県看護協会と懇談 「交替勤務はより優遇されるべき」

 
看護協会会議室での懇談のようす

12月6日に公益社団法人 愛知県看護協会と懇談を行いました。懇談は看護協会会議室で1時間余りの懇談となりました。愛知県医労連は石川副委員長、石田副委員長、西尾副委員長、林書記長、川上書記次長、幸島書記次長、中川執行委員、伊藤執行委員、長尾全医労愛知地区書記長の9名が参加し、愛知県看護協会は鈴木会長、久間専務、東根常務、藤原常務、?木常務の5名の理事役員からご対応いただきました。

夜勤規制が必要
懇談では、石川副委員長から「看護師は不十分な体制の中患者さんに喜ばれる看護を懸命にあたっている。育児などで夜勤ができない育児短時間制度が実質使えず退職を選ぶ看護師もあとを絶たない。少ない看護基準配置の中で、患者さんを看て患者さんの笑顔があらわれる看護がしたい。夜勤はリスクが高く夜勤の規制が必要だと実感している。実りある懇談をよろしくお願いします。」とあいさつしました。

林書記長から「夜勤実態調査結果」や「36協定特別条項調査結果」など取り組みを紹介し、週32時間労働や正循環勤務、夜勤制限・インターバル規制などを求めての国会請願署名、自治体請願の意見書、愛知県看護職員15万人体制などに取り組んでいることを紹介しました。中川執行委員から、豊橋市民病院における夜勤回数の実態、32時間正循環勤務の取り組み、ストレスチェック結果の取り組みを報告しました。

公益社団法人として広く活動
鈴木会長からは、愛知県看護協会のパンフに基づいて、公益社団法人として会員にとどまらず愛知県全域の看護職員に職能団体として、看護の魅力と看護の果たす社会的使命を広く県民に知らせ、看護の発展を願い活動していること。県民の健康と福祉の増進、幸福の追求をめざし、社会に認められる活動に取り組んでいることが強調し話されました。
 
2025年問題看護の役割拡充
「看護職員が専門職として確立していくためにも、高い専門性と優れた看護実践能力をもつ専門看護師とナースプラクティショナー(NP)の領域を強化している。『2025年問題』では、疾病を抱えながら在宅医療が進んでいく中で、介護職の大幅な不足も心配されているが、看護職も地域医療・介護に大きな役割を果たす必要があり、訪問看護師の養成をはじめもっとたくさんの看護師が必要となる。「包括ケアシステム」が入ってくると地域との密着もかかせない。」と看護職員の役割の拡充について話されました。災害や県民講座、多職種連携などネットワークが大切。さまざまな愛知看護協会の取り組みを多岐に渡り話されました。

看護師の夜勤の法的規制がないのはどうか

労働の問題では、『ワークライフバランス』は平成24年から始め5年が経過し、病院のワークショップやガイドラインの活用、労基法の知識を普及の取り組みをしている。労基法のところでは、“ニッパチ”を求めてたたかった歴史を教えている。夜勤は診療報酬で72時間と規定されており、実態は8日におさまっていない。しかし、タクシーや運転手が夜勤の制限となる法的規制があるように、看護師の夜勤も法律の規制がないのは問題ではないか。
各理事からは、「医療環境改善支援センター」、「ワークショップ」、「就業促進事業」の取り組みが報告されました。就業希望者の多くが『夜勤やれる』という人がいないといった実態が報告され、とくに育児・子育てなど夜勤ができない時期があり、夜勤回数の軽減や子育て中でも働けるような制度や職場風土も大切だと思うと話されました。
  理事から、「復職支援セミナーや高校生の一日体験の取り組みをしているが、10月に行った離職者アンケートで半数くらいが看護師を続けたくないと回答しており、働き続けられる整備は重要課題だ。」としました。

看護職員が働き続けるための制度・条件整備は重要

鈴木会長は、私見と述べつつ、「『正循環』が生体リズムに添っており、あるべき勤務と考えている。夜勤も原則は8時間がよい。3交替は日勤→深夜はインターバルが短く体に負担がかかるのと、夜間の業務出入などリスクがある。2交替は長時間の問題が生じる。日勤は多様な働き方により対応ができていくが、問題は夜勤をどうしていくか。人間の営みである家庭・家族があって社会が成り立っており、家庭が維持できる制度・条件整備が必要で、夜勤をやる人のモチベーションを引き上げるために、夜勤手当等の引き上げが必要と考えている。週32時間労働も必要だがその実現はもっと先か。条件整備は重要。」と述べました。
 
みなさんと一緒の思い
愛知県医労連から基金の使い道や奨学金のあり方や拡充など看護協会からさらなる発信をお願いしたいと要望しました。
閉会にあたり鈴木会長から、「2025年に対応できる人材育成に力を入れ、愛知県から補助金をいただいているナースセンターの拡充や訪問看護師が少なく新人から育てていく取り組みなど課題は山積しているが県民の医療・看護を考えがんばっていきたい。看護職員が誇りを持って働き続けられる整備は医労連のみなさんと一緒の思いでいる。みなさんの意見や現場実態を聞かせていただき有意義な話ができた。」とあいさつをされました。

 
率直に看護師が働き続けるための実態に踏み込んで意見交換ができ、共感が湧き大変有意義な懇談となりました。

公開:2016年12月20日   カテゴリー: