7対1看護基準取得病院-愛知県内一般総ベッド比約5割へ到達
7対1看護基準取得病院は
愛知県内一般総ベッド比約5割へ到達
病院数も49カ所に増加
(2009年12/3付け東海北陸地方厚生局・資料から)
◇県内一般ベッド総数4万1,531床に対し
申請は1万7,365床で09年7月時点から+714床増加
◇県内一般病院229に対し49カ所・21%、ベッド数で47%
◇各病院の総ベッド数に対する申請率平均は、90%
(特徴点とコメント(1))
全体状況は、2006年4月の制度の新設から、3年が経過しましたが、7対1看護基準の取得比率は、愛知県内総ベッド数に対比で、47%、病院総数では、229病院に対し49病院になり、2割を超えています。この1年間の取得病院数の伸びは前年とくらべて14カ所増から9カ所増で新たな申請病院数は減りましたが、申請増のベッド数は、引き続き3,000を超えるベッド数が7対1に移行しました。
総病床数 届出対象ベッド数 申請 増加数 前年 県内一般 県内一般
病院数 増加率 ベッド比 病院数比
09年12/ 3時点 計19,322 計17,365(90.0%) 49病院 714 104.2% 47% 21%
09年 7/10時点 計18,674 計16,651(89.0%) 48病院 2,919 121.2% 45% 21%
08年12/25時点 計15,212 計13,732(90.0%) 40病院 1,325 110.7% 37% 17%
08年 6/ 3時点 計13,706 計12,407(91.0%) 34病院 1,835 117.4% 33% 15%
07年12/27時点 計11,674 計10,572(91.0%) 33病院 1,228 113.1% 28% 14%
07年 5/ 1時点 計10,285 計 9,344(90.8%) 28病院 4,245 183.2% 25% 12%
06年11/28時点 計 5,733 計 5,099(88.9%) 20病院 14% 9%
(特徴点とコメント(2))
◆ 1年間の増加の主な内容と特徴
新たな申請が10病院、返上病院が1病院、9カ所増
1年の状況変化をみると7対1看護基準の取得病院数は、2007年5月時点が28病院、2008年6月が34病院(+6カ所増)、2009年7月が48病院(+14カ所増)であったのに対し、その後の半年間は申請数は1カ所増(+2所申請で-1カ所返上のため、実質+1カ所の増)になりました。
(2009年7月時点より現在まで)
病院名 所在地 総ベッド 申請数 申請率
09年 5/1 藤田学園保健衛生坂種病院 名古屋・中川区 499 461 92.0% ▲38(09年5月再申請)
09年 5/1 知多市民病院 知多市 300 240 80.0% ▲60
09年 6/1 八千代病院 安城市 216 216 100.0%
09年 6/1 愛知厚生連江南厚生病院 江南市 624 516 83.0% ▲108
09年 6/1 愛知がんセンター愛知病院 岡崎市 220 202 92.0% ▲18
09年 7/1 名古屋第1赤十字病院 名古屋・中村区 852 705 83.0%)▲147(09年5月再申請)
09年 7/1 愛知がんセンター中央病院 名古屋千種区 500 496 99.0% ▲4
09年 7/1 名古屋市西部医療センター城北病院 名古屋北区 251 215 86.0% ▲36
09年 9/1 常滑市民病院 常滑市 300 256 85% ▲ 44
09年 11/1 名古屋市東部医療センター東市民病院 名古屋・千種区 498 49 99% ▲ 5
愛知県下の7対1看護取得の公立病院は16カ所に増そのうち08年以降に13カ所が取得し集中しています
07年 5/1 県立循環器呼吸器病センター、5/1 蒲郡市民病院、7/1 津島市民病院
08年 4/1 稲沢市民病院 4/1 一宮市民病院、8/1 碧南市民病院、10/1 豊川市民病院
11/1 東海市民病院 12/1 西尾市民病院、12/1 新城市
09年 5/1 知多市民病院 6/1 愛知がんセンター愛知病院 7/1 愛知がんセンター中央病院
7/1 名古屋市西部医療センター城北病院 9/1 常滑市民病院
11/1 名古屋市東部医療センター東市民病院
この間、申請病院が増加する一方、返上病院は減少
2006年4月の制度新設から、7対1看護を申請したがその後、返上せざるをえなくなった病院数は、現在までの累計で8病院にのぼります。返上病院のうちわけは、2006年4月からの制度新設にともない、かけ込み的に申請したと思われる2006年度で返上病院は「6病院」です。その後は、翌年2007年の返上病院は「0病院」、2008年の返上病院は「2病院」となっています。2007年は、返上病院は0病院ですが、申請数も6病院と減少していた時期です。これに対し2008年の1年間では、申請が16病院に対し、2カ所の返上です。2009年は、まだ半年が経過したところですが、返上は1カ所に止まっています。さらに、過去3年間の返上8病院のなかで、現在までに再度、申請を行い、再度、基準を取得している病院も半数の4病院あるのも、特徴です。
◆ 7対1看護基準を「返上」したと推定される病院は、8カ所・・・
そのうち「再申請」で現在、7対1看護基準を取得している病院は、3カ所
病院名 所在地 申請日 総ベッド数 申請ベッド数
名古屋第1赤十字病院 名古屋・中村区 06年11/ 1 857 781(91.1%)(09年5月・再申請)
愛知県心身障害者コロニー中央病院 春日井市 06年11/ 1 150 35 (コロニーは、08年4月再申請で復活するも、再び返上した模様=09年12月時点で病院名無し)
愛知学院大学歯学部付属病院 名古屋・千種区 06年 4/ 1
※新城市民病院 新城市 06年 9/ 1 225 221 98.2% (08年12月・再申請)
伊藤病院 名古屋・熱田区 06年 5/ 1 18 18 100.0%
東海産業医療団中央病院 東海市 06年 7/ 1 160 250 64.0% 星ヶ丘マタニティー病院 名古屋千種区 08年 4/1 58 58 100.0%
※藤田学園保健衛生・坂種病院 名古屋・中川区 08年 4/ 1 499 499 100.0%(09年5月・再申請)
求人は大切だが、どの病院も定着対策の強化が、社会的人材確保の道
日本医労連は、加盟組合や全国の実態から「いま、働き続けられる職場作りが最も大事」としそのための「賃金と労働条件の改善」を社会的に進める必要を提言しています。『経営効果のみに目を奪われ、ぎりぎりの人数・労働強化で無理を強いての申請は、退職数防止にならず結局、維持できない』と警告しています。社会的な養成増も必要です、しかし、現在働いている看護師の退職防止がカギになっています。
(特徴点とコメント(3))
愛知県地域保険医療計画のなかで
指定されている「拠点病院」の
7対1看護基準の取得状況の特徴と
この間の変化について
◆ 拠点病院とは・・・
(1) 地域保健医療計画
政府が、国民病とされる、「がん」「心筋梗塞」「脳卒中対策」「糖尿病」の4疾病と、これにプラスした「救急」「災害対策」「小児」「周産期」「へき地」の5つの事業を「4疾病5事業」と名付け、各都道府県にこれに対し、対策を取るための事業や受け皿となる医療機関の整備と計画化を求めました。
計画は政府の指示によって、愛知県ではすでに2006年3月に計画が公示され、2011年3月には見直しが行われる予定です。
(2) 拠点病院
拠点病院は、さきに紹介した「4疾病5事業」の重点医療機関ともいうべき病院です。その愛知県地域保険医療計画での拠点病院は46病院です。しかしながら、当然ですが、わずかに46病院だけで、広大な愛知県内の医療を担うことは、不可能です。したがって、各疾病には拠点病院と連携する病院等が、計画の中に盛り込まれています。しかしながら、拠点病院事態が、重度の患者を診るという位置づけがあるならば、当然ですが、医師、看護師等の人員体制は、愛知県が責任をもって、確保しなければならないはずです。
◆ 拠点病院の7対1看護基準の取得状況
拠点病院46病院うち、25カ所に増加
拠点病院の合計ベッド数に対する7対1取得率は、56%に増加
2008年から相次ぐ、公立病院での7対1看護取得の申請により、1年前は3割台であった取得率は、5割を超えるまでに到達しました。 しかしながら、4疾病・5事業の国民病対策、保健・災害対策等をしっかりとになう役割のある拠点病院では、すべての病院での7対1看護基準取得は、本来は当たり前です。各疾病や事業の拠点として愛知県地域医療保健計画を機能させるには、すべての病院での取得が必要では、ないでしょうか。
資料・1 愛知県内の7対1看護基準の取得病院一覧
資料・2 愛知県医療保健計画・拠点病院での
7対1看護基準の取得状況一覧