解散総選挙の結果と今後の要求課題の取り組み方向
◆ 政権は変わった!いよいよ法案実現へ
わたしたちの全員参加のダイナミックな運動を作って、新政権と、各政党に約束実行を迫ろう
7月21日に衆議院が解散されたため、4野党(民主、共産、社民、国民新党)で提出し、参議院では可決された「後期高齢者保険制度・廃止法案」「生活保護母子加算・復活法案」は、廃案になりました。また、「介護報酬再引き上げ法案(略称;介護賃上げ法案)」「障害者自立支援法の見直し法案」は、審議なしで廃案になりました。
【その1】民主党含む4野党で提出法案を国会決議させよう!
(1)後期高齢者医療保険制度は、廃止に
(2)生活保護の母子加算の復活させよう
(3)障害者自立支援法」は、廃止を
(4)利用者負担を増やさず介護報酬アップを
◆バンザイ!悪政重ねた自民・公明与党は政権から退場へ
各政党の獲得議席数は次の通り。( )内は選挙前の議席数、増減です。
自民党 119(300 ▲181)
公明党 21( 31 ▲ 10)
その他 7( 7 ± 0)
改革クラブ 0( 1 ▲ 1)
みんなの党 5( 4 + 1)
共産党 9( 9 ± 0)
社民党 7( 7 ± 0)
新党日本 1( 0 + 1)
国民新党 3( 4 ▲ 1)
民主党 308(115 +193)
解散総選挙結果の特徴は 医療崩壊、介護崩壊招いた医療社会保障予算の連続削減を進めた勢力は大敗北し政権交代
民主党ら各政党は、私達の運動の反映で政策と公約し勝利
(1)社会保障費増額
(2)医師・看護師・介護職員の増員
だから・・・これまでとは違う政治の流れの中で運動を
【その2】要求実現は、私達のガンバリにかかる!
大幅増員の法改正、報酬アップの大運動を!公約や共通政策はこんなにある!
(1) 医療・介護、社会保障関係
1.医療費はOECD(経済開発協力機構30カ国平均まで引上げ)
2.後期高齢者医療制度廃止
3.大増員(医師増1.5倍、看護師増員、介護職員4万賃上げ等)
4.介護報酬アップで、大幅な賃上げ
5.障害者自立支援法の廃止
6.生活保護の母子加算廃止の撤廃(月額2万など)
(2) 教育関係
・高校の教育費の無償化や、返済不要の奨学金制度へ改善
(3) 雇用・労働関係
・最低賃金制度改善、1000円などへのアップ
・労働者派遣法の見直し
(1) 8月30日(日)投票の第45回衆議院議員選挙の開票結果は、自民党・公明党の与党が大変な惨敗になりました。これ迄の政治路線に対する国民の怒りと不満の爆発で自民は3分の1に議席を減らし、公明も3分の2の勢力に激減しました。投票率は、推計69.27%(毎日新聞社調べ)で前回2005年の67.51%を上回り、有権者自らが暮らしに関わる政治を選挙で変えよう、との国民意識の高まりを実感した選挙でした。
(2) 愛知県医労連は選挙にあたり、労働組合の掲げる政策要求を実現させるために、2点を重視し選挙に取り組みました。第1には、医療社会保障の充実のために2200億円の削減撤回と予算増、大幅増員の実現と法制度改善、報酬アップ、患者利用者の負担の軽減を掲げて選挙を闘いました。第2には平和と憲法を守る要求でした。
(3) 結果はこれまでの国民いじめ、生活破壊、医療崩壊、介護崩壊・・・を進めてきた自公政権は退場に。その反対に民主党や野党らは、国民生活会zねん、医療社会保障改善の政策を公約として前進、健闘しました。したがって、私達は民主党など新政権と公約を掲げた各政党に対し、要求の実現を迫る大運動を起こすことが必要になります。政権がどのような方向に進むかは、私たちの運動にかかっています。流れは変わりました、公約実現を迫る楽しい運動でもあります。引き続き奮闘しましょう。
【その3】 財源は、4年後の消費税増税が懸念される
憲法9条改悪・戦争する国作りには、反対の大運動を
民主党が単独過半数で圧勝ですが、心配ないくつかの点があります。具体的には(1)平和憲法9条を変え、軍隊を作る (4)4年間はしないが、消費税アップ、増税路線が基本 (3)食糧自給率を危うくする日米FTA交渉促進(農産物の輸入自由化で農業破壊) (4)企業団体献金禁止でない(財界、大企業のいいなり政治を継続の危険) (5)衆議院定数大幅削減で政治の民主制を破壊、です。
とくに、増税、消費税アップと平和を守る運動では、絶対に食い止める必要があります。引き続き、国民にうったえて運動をおおきく広げましょう。
【全労連・談話】 総選挙結果について
2009年8月31日
全国労働組合総連合・小田川義和事務局長
総選挙は昨日投開票され、自民党の歴史的敗北、民主党の圧勝となりました。民主党は、すべての常任委員会で委員の過半数を確保できる絶対安定多数を大きく上回る308議席を獲得し、政権交代を確実にしました。総選挙で野党が単独で過半数を得て政権が交代するのは戦後はじめてのことです。
全労連は、今回の総選挙を労働者の雇用とくらしを壊し続けてきた自公政治に終止符を打ち、ルールある経済社会、憲法が生きる日本への転換への展望を切り開く歴史的な選挙と位置づけ、全国の仲間の奮闘を呼びかけてきました。その立場から、選挙の結果を歓迎します。
発足する民主党政権には、構造改革からの明確な転換を選択した国民の審判を受け止めた政策の具体化を求めたいと思います。さしあたり、先の通常国会までに、自公政権による労働者・国民いじめを転換させるものとして「労働者派遣法の抜本改正」、野党協議が進められて一定の到達点にある、「後期高齢者医療制度の廃止」、「生活保護の母子加算の復活」、「障害者自立支援法の廃止」などは、この秋の段階にも実現するような努力を求めます。また、多くの政党の公約が一致していた「最低賃金時給1000円」の実現は、縮小し続ける内需を拡大させる景気対策の目的も持って、具体化を急ぐよう求めます。
投票日直前に明らかになった09年7月の完全失業率5.7%の統計にも示されるように悪化し続ける雇用状況への対策は急務です。「雇用なき景気回復」を繰り返すことは、選挙結果に示された国民の審判に背くものです。そのような背信行為を許さない全労連のたたかいが、この秋、重要になっています。
全労連はこの秋、雇用の量・質とセーフティネットの双方から一体的、総合的な構えで「安定した良質な雇用」を求める雇用闘争を重視していますが、この方針の具体化を進めることで、今回の総選挙結果を政権交代にとどまらせず、政治の変革の扉を開くものに押し上げていく決意です。また民主党はその公約で、憲法9条を視野に入れた改憲論議を否定せず、衆議院の比例定数の削減、国家公務員の2割削減をかかげています。軍事費削減や大企業・大資産家に対し応分の税負担を求めることなく、近い将来の消費税増税を口にしています。全労連は総選挙の結果もふまえ、平和を願い、大企業にも応分の「負担」ルールある経済社会を求める国民の選択に背を向ける動きに対しては、断固反対の国民的運動を組織する決意であることも改めて強調します。