時間外労働の改善や夜勤・交代制勤務における健康リスクの軽減を図り、健康で安全に働き続けられる職場づくりに
日本看護協会の菊池令子専務理事と小川忍常任理事は11月5日、大阪高裁で10月30日に判決が出た、国立循環器病センター(大阪府吹田市)に勤務していた看護師村上優子さん(当時25歳)の過労死をめぐる行政訴訟で勝訴した遺族、支援者らと面会した。日看協側は、時間外勤務などに関する緊急実態調査を予定していることや、国は上訴を断念すべきとの考えを遺族らに伝えた。
遺族、支援者らは、現場の労働条件を改善するとともに、国側が上訴しないよう日看協として働き掛けてほしいと求めた。
これに対し、日看協側は「看護職確保定着推進事業」などで医療従事者が健康で安全に働くための職場づくりを進めていることを説明したほか、時間外勤務などに関する緊急実態調査を予定していることを明らかにした。また、「(国は)大阪高裁の判決を真摯(しんし)に受け止めて上訴を断念すべき」との考えも併せて伝えた。
日看協は、すべての医療機関で労働条件や環境を再点検し、時間外労働の改善や夜勤・交代制勤務における健康リスクの軽減を図り、健康で安全に働き続けられる職場づくりに早急に着手するよう今後も強く呼び掛ける、としている。
時間外勤務などに関する緊急実態調査は11月下旬にも実施され、年度内に結果の速報が公表される予定。
更新:2008/11/06 12:03 キャリアブレイン