【08.06.16】【春闘速報36 08/6/16 東京都が介護報酬改定に向け緊急提言】

【春闘速報36 08/6/16 東京都が介護報酬改定に向け緊急提言データPDF 36KB】

社会保障費毎年2200億円削減は
ストップし、予算増を!
医療も介護でも政府へ要望強める

◆ 社保費削減撤廃求め要望―四病協
 四病院団体協議会(四病協)は6月9日、「骨太の方針2006」が打ち出している社会保障費の自然増を毎年2200億円ずつ削減する政府方針の撤廃を求める要望書を、町村信孝官房長官、額賀福志郎財務相、舛添要一厚生労働相、唐澤祥人日本医師会会長、関係議員などにあてて提出しました。
 要望書は「経済、財政の視点のみで医療制度改革が行われた結果、医師不足や夜間・救急医療体制の崩壊などさまざまな問題が生じている」とし政府に対し「迅速かつ適切な対応」を求めました。09年度介護報酬改定にも「介護人材の確保や良質なサービスの提供のため大幅なプラス改定が必要」としています。

◆ 介護報酬改定に向け緊急提言―東京都
 東京都は6月9日、都内の特別養護老人ホームなどを対象に経営状況、職員の勤務状況の「実態調査」を実施し、結果をもとに緊急提言を作成し厚生労働省に提出。社会保障費の抑制という国の指針に沿って介護報酬がマイナス改定を重ねたことで、介護事業者が苦しい経営を強いられていることや、労働力人口の減少や景気回復による他の業種の採用意欲の高まりで介護人材が不足しているなどを指摘。
 現状を改善するための10項目の介護報酬改定に向けた緊急提言、5項目の運営基準や規制緩和に関して提言。施設側が国家資格の有資格者を積極的に配置していても介護報酬上評価されていないことや、職員の資格取得のために施設が費用の補助、勤務時間上の便宜を図っていることを挙げ、「国家資格の有資格者を配置している場合は、有資格者に応じて介護報酬上評価すべき」などとしています。

介護人材の定着・確保に向けた介護報酬のあり方等に関する、緊急提言(概要)
 超高齢社会において安定的に介護サービスを提供するために
                   平成20年6月9日 東京都・福祉保健局

 東京都の提言では、「今後、本提言が平成21年4月の介護報酬改定にあたり、国の社会保障審議会介護給付費分科会等において具体的に検討されるよう強く望むものです。」として、以下の内容を提示しています。

<提言のポイント>
【背景】たび重なる介護報酬のマイナス改定による介護保険施設の大幅な減収、近年の景気回復等による介護分野における人手不足の深刻化
【趣旨】東京の介護保険施設が、将来にわたり良質なサービス提供や安定的な運営ができるよう望ましい介護報酬のあり方について見直しの方向性を提言
【主な内容】介護報酬改定に向けた緊急提言(10項目)
      運営基準や規制緩和に関する提言(5項目)

◇ 介護報酬改定に向けた提言
《提言1》介護保険施設の人件費比率の設定を引き上げるべき
《提言2》賃金水準の地域差をより適正に反映すべき
《提言3》物価水準等の地域差を新たに反映すべき
《提言4》定員規模に応じた段階的な報酬設定とすべき
《提言5》離島等の特養への特別地域加算を創設すべき
《提言6》人員配置基準について、実態を踏まえたものに改めるとともに
     介護報酬上適切に評価すべき
《提言7》国家資格の有資格者を配置している場合は、有資格者数に応じて
     介護報酬上評価すべき
《提言8》職員の定着のため、事業者が職員のこれまでの職務経験などを適切        に反映できる介護報酬とすべき
《提言9》小規模多機能型居宅介護について、介護報酬単価を見直すとともに、       要介護1、2の介護報酬を引き上げるべき
《提言10》小規模事業である認知症高齢者グループホームの経営安定のため、        介護報酬体系を見直すべき

◇ 運営基準や規制緩和に関する提言
《提言1》特別養護老人ホームについて、施設建物の貸与を受けて設置することが、できるよう要件緩和すべき
《提言2》介護保険施設の居住費の補足給付額について地価等の地域差を反映すべき
《提言3》小規模多機能型居宅介護事業所について、登録定員の上限や宿泊サービスの利用定員の規制を緩和するとともに、宿泊室の空室を登録者以外の者が利用できるようにすべき
《提言4》認知症高齢者グループホームは地域の実情に応じて3ユニット程度まで緩和すべき
《提言5》職員配置が基準を下回った場合の介護報酬減算について、事業継続とのバランスに配慮した制度とすべき

公開:2008年6月16日   カテゴリー: